朝の光
台風一過、白谷雲水峡の森に朝の光が差し込む。昨夜山全体に吹き荒れた嵐が嘘のうようだ。普段見慣れた風景も特別な時間に特別なベールをまといいつも以上に輝く様子が心から嬉しい。
誰もいない時間にこの森を一人で歩きながら、改めて屋久島の森の素晴らしさに心が躍る。薄暗い原生の森に光が入ってくるこの瞬間には、何かの啓示のようなものを、その身の内に予感すらした。
この時に、この森の中をカメラを持って歩いていることの喜びを感じ、樹々の間から漏れ射す光にレンズを向け、喜びの気持ちでシャッターを切った。