光る落ち葉
写真家の山下大明さんが2011年の秋に「月の森―屋久島の光について」を出版してから、屋久島では光るキノコがそれまで以上に注目されるようになったと思う。
いままで僕はそれを撮影対象としてこなかったが、先日それが身近なところにあることを教えて貰い何回か撮影に通ってみた。
時期的にピークを外してしまったようで、キノコの撮影はテストだけで終わってしまったが、そうして撮影しているうち足元に何かが薄ぼんやりと光っているのに気がついた。ヘッデンで照らしてみるとそれは落ち葉だった。
苔むした石の上にそっと置き、マクロレンズで真上から見下ろして撮影した。露光はα6300で設定できるMAXの30秒、絞りは開放F2.8で、あとは好みの明るさになるまでISO感度を上げて行った。
こうした長秒露光でテスト撮影を繰り返す場合はノイズリダクションを切っておくこといい。それがONだと露光後に相当時間待たされることになる。現場ではアングルと明るさを確認するにとどめ、事務所に戻ってから同時記録したRAWデータを現像して仕上げている。そうしないと現場でいくら時間があっても足りない。
また現場ではブレ防止にリモートスイッチは使わず2秒セルフを使っている。真っ暗闇の中でリモートスイッチを手許に引き寄せるのはうまくいかないことがあるからだ。そういう意味で本当は30秒以上の長秒露光がリモートスイッチなしに設定できるとありがたいと思っている。
またブレ防止という意味でミラーレスはミラーアップの手間がないのもいい。PENTAX67でミラーアップしていた時代はその瞬間びっくりするくらいの振動が起こり、レリーズを一呼吸待ったものだが、そうしたことも既に追憶の彼方という感じだ。