永田岳からの下り
永田岳のピークを踏んだ僕はザックをデポした地点まで戻り、急ぎ荷物をまとめて鹿ノ沢小屋を目指した。
初めて足を踏み入れるコースだったし、あまり遅い時間まで登山道をウロウロしていたくないと思っていたのだ。しかし、そんな僕の思惑を簡単に打ち砕く光景がそこには広がっていた。
宮之浦側よりむしろ、鹿ノ沢小屋側の方がシャクナゲの株が多かった。そこに広がる光景はまさに夢の世界。屋久島まで写真を撮りに来た人間にとって、この光景を無視して先を急ぐことなどできない。僕はポイントポイントで、何度も足を止めて撮影を行った。
登山道にびっしっりと咲き誇ったヤクシマシャクナゲ
撮影データ:EOS-20D+EFS-10-22mmF3.5-4.5USM(焦点距離20mm)
ISO100 F7.1 1/100sec 露出補正-1 三脚使用
ヤクシマシャクナゲの咲き誇ったローソク岩上の斜面
撮影データ:EOS-20D+EFS-10-22mmF3.5-4.5USM(焦点距離12mm)
ISO100 F11 1/40sec 露出補正-1/3 三脚使用
そうやって夢中になって撮影をやっていると、上の方から誰かに見られている気配を感じた。フッと上を見上げると、1頭のヤクシカがジッとこちらを見ている。僕はレンズを望遠ズームに付け替えて、シャクナゲ林の中にいるヤクシカを撮影した。
ヤクシマシャクナゲの林の中からこちらを見ていたヤクシカ
撮影データ:EOS-20D+EF100-400mmF4.5-5.6L IS USM(焦点距離400mm)
ISO400 F5.6 1/1600sec 三脚使用