翁杉
小杉谷の事業所跡を過ぎたあたりから、トロッコ軌道には真ん中に敷板が渡してあるようになる。
先回来たときはこれがところどころ途切れていたのだが、徐々に整備が進んでいるようで、これが途切れることなく大株歩道入り口まで続いていた。歩き易くて歩行のペースが上がり大変助かる。敷板の無いところは枕木をまたいで歩かなければならないのだが、自分のピッチと合わないので、大変疲れるのだ。さりとて迂闊に枕木の上に乗ると場所によってこれがとてもすべる。1度大きく転倒しそうになってから学習し、枕木の上に乗ることはやめた。
トロッコ軌道の登山道を歩ききって大株歩道入り口に辿りつき小休止。既に縄文杉から折り返して来たという学生といっしょになり、登山道の様子を尋ねると、特に荒れたところもなく順調に登れるとのこと。昨夜作った握り飯を1つ腹に入れ、エネルギ補給をしてからココロの中で気合を入れ、大株歩道に取り付いた。
ここからは本格的な登山道になる。背負ったザックが肩に食い込み汗がしたたり落ちる。慌てず急がず、一歩一歩進んでゆく。と、ここで突然雨が落ちてきた。さっきまであれほど天気が良かったのに、屋久島侮れずと立ち止まり、とりあえずザックカバーだけをかけて、再度歩き出す。大した雨ではなかったが、しばらくシトシト降っていた。
やがて登山道にある最初の大きな屋久杉、「翁杉」に辿りついた。谷あいの深い森の中にあるこの杉にはびっしりと様々な植物が着生しており、下の方の表面は厚いコケに覆われている。三脚を立てアングルを探すが、引きの取れない場所なのでいいポジションが見つからない。それならばと、ワイドで思いっきり寄って、真下から木を見上げてみた。写真は明るく写っているが、とても暗い場所なので、三脚でガッチリ固定して2秒の露光を掛けている。着生した植物の葉が透過して明るく写った。
翁杉を真下から見上げる
撮影データ:EOS-20D+EFS-10-22mmF3.5-4.5USM(焦点距離22mm)
ISO100 F8.0 2.0sec 三脚使用
翁杉データー:幹周:12.3m 樹高:27m 樹齢:2000〓2500年