フェリー屋久島2
6月4日早朝、セットした目覚しより早く起きた僕はそのまま鹿児島港へ向かった。
僕の車には、カーナビなんていう気の利いたモノがついていないので、鹿児島市内で、少々迷うが、港の中を走り回るうちに、いつか見たグリーンの三角屋根をみつけて、折田汽船の発着ブースへ辿りつく。僕を屋久島へ連れていってくれるフェリー屋久島2は真っ白な船体をそこに接岸させて、朝日に輝き聳え立っていた。対岸には桜島が見える。
乗船する車は手前の道路を右折して、港の中に進入する。
南埠頭1号上屋 その内部、受付は午前6時から
南埠頭1号上屋と書かれた建物の中に入り、乗船手続きをする。実は前回来たとき、車の手続きをここで行うということを知らずに、正面の出発ロビーで改札が開くのを待っていたことがある。しかし、正面の出発ロビーは、フェリーに車を持ち込まない一般の乗船客用のものであって、車ごと乗り込む乗客は、こちらで手続きが必要なのだ。見て分かるように、ここは作業場の一角という趣き。車は船にとって1つの大きな荷物であり、ドライバーはそれに付随するオマケのような感覚なのだと思った。
一般乗客の乗り込み口 トラックに紛れて僕の車も船の腹の中へ
係員の誘導に従って車を船の腹の中へ持ち込む。周りは屋久島へ仕事に行くのか、建設業者のトラックや運送業者のトラックが多い。指定された場所に車を止めて雑魚寝ができる2等船室へ。手荷物をそこに置いて、早速に風呂場へシャワーを浴びに行く。車で移動する長旅の場合、トイレと風呂は使えるところで、すかさず使っておかないと、次いつどこで使えるか分からないということを、前回の旅で痛いほど学んでいたので。
僕が風呂から上がってきたころ、丁度乗客と荷物の積み込みが終わったフェリー屋久島2では、出港の船内アナウンスがあり、船はエンジンの音を唸らせて、港を離れ始めた。
午前8時35分、錦江湾に滑り出した船は、一路屋久島へ向けて進路をとった。