大沢 成二 写真展『屋久島35日』
大沢 成二 写真展 『屋久島35日』2021年1月30日(土) ~ 2021年2月12日(金)αプラザ(大阪)※ ソニーストア 大阪内
写真展情報
屋久島は35日雨が降る」とは、昭和に活躍した作家の林芙美子が小説・浮雲の中で屋久島の多雨を比喩的に紹介した美しい詩的表現だ。
今回写真展のタイトルに使った「屋久島35日」は敢えてそれを「35(さんご)日」と読ませる。それはつまり「3×5(さんご)=15(じゅうご)」の意であり、展示に使用した15枚の写真で屋久島の多彩な自然風景の輪郭を描きたいという作者の意図を35という数字に込めたものだ。
もちろん屋久島の自然風景を15枚で描き切ることはできないが、この展示からその気配だけでも感じていただけたらと思っている。
想像を絶する変化の時代にあって、右往左往する人間をよそに、屋久島の自然風景はいまも日々の営みを静かに紡ぎながらそこにあり続ける。こんな時代だからこそ、写真家は厳然としたその自然に向き合いながら、1枚1枚丁寧にシャッターを切ってゆくことが求められているような気がしている。