ヤクザル親子
サツキの撮影をしていると後ろがなんだか騒がしい。ファインダーから目を離して振り返ると、ヤクザルの群れが安房川を横切って対岸へ渡って行くところだった。しばらくその様子を眺めていると、その一団はあるところまで移動すると、めいめいスペースをみつけて寛ぎはじめた。
僕はカメラのレンズを望遠に付け替えると、ゆっくりと彼らの方へ近づいて行った。最初僕のことをちらちら見ながら警戒していた彼らも、一通り僕のことを観察し終わったらからか、そのうち気にすることなく、めいめい毛づくろいを始めた。僕はすこしづづ距離を詰め、背景にサツキの花が写り込む位置へ移動して何枚かシャッターを切った。
するとちょうど僕の目の前で、仔ザルが母親の乳に吸いついた。シャターチャンスを待って僕はじっとファインダーを通してその様子を見ていた。母ザルは愛おしそうに仔ザルの顔を覗き込む。なんとなく優しい気持ちになって、その瞬間を僕はカメラに収めた。
手持ちで長時間ファインダーを覗きながらシャッターチャンスをうかがっていても、軽い機材だと疲れない。E-M1 Mark II+M.ZUIKO 40-150mm+MC-14で換算80mmから420mm相当の絵が撮れる。これはちょっと革命的だと思う。
ヤクザルの撮影は最初テレ端からスタートし、徐々に距離を詰めながら、途中でMC-14を外して更に距離を詰めることができる(外したMC-14はポケットの中)。軽くてコンパクトな機材だと、足場の悪い場所や多少無理な体勢であっても、撮影を諦めることなく、カットを拾いに行くことができる。
もうワンカット。諦めることなく、しつこく押した先にアタリが生まれることがある。動物の撮影は特にそうだ。