真夜中の火柱
撮影日:2009年9月11日
撮影データ:NikonD700+AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED(焦点距離24mm)
ISO200 F8.0 30sec 三脚使用(トリミング)
安房公園線よりH2Bロケットの打ち上げを観測・撮影。H2Bは純国産の新型ロケット。国際宇宙ステーション(ISS)に物資を運ぶ無人宇宙船「HTV」を搭載するため、従来のH2Aに使用していたLE-7Aというメーンエンジンを2基同時に燃焼するクラスタ化と呼ばれる技術を導入し、H2Aより積載能力をアップした。従来初号機の打ち上げは空打ちするのが慣例だが、今回はH2Aの成功を踏まえて最初からHTVを搭載しての打ち上げとなった。
国際宇宙ステーション(ISS)にHTVを連絡するためと思われるが、打ち上げ時間は深夜の午前2時1分。僕は安房公園線にカメラを構えて打ち上げを待った。ほぼ予定どおり、種子島に火柱が立ち、海面が巨大な鏡となってその火柱を黄金色に映し出した。火柱は本当にゆっくりと上昇し、雲間を見え隠れしながらゆるく右へカーブを描き消えて行った。遅れて鈍い発射音がやってき来て、いつまでも辺りの空気をふるわせていた。そして上空には雲間から月が覗いていた。
屋久島へ来てからロケットの打ち上げを見るのはこれで二回目。昼間の打ち上げに較べ、夜中の打ち上げはロケットの行方が観測し易いと思った。また暗闇を突然明るく照らす巨大な火柱は幻想的と感じた。