世界遺産の壁
撮影日:2009年3月26日
撮影データ:NikonD700+AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED(焦点距離38mm)
ISO200 F2.8 1/60sec 露出補正-1/2 PL使用 手持ち撮影
屋久島が世界遺産自然遺産に登録された理由のひとつとして、西部地区の照葉樹林が手付かずのまま残されていることがあげられる。全国的に春の訪れが早い今年、いよいよこの世界遺産の森が芽吹きの季節を迎えた。照葉樹林はこの芽吹きの季節が最も美しい。ここのところ連日カメラを持って西部地区へ通っていた。
しかし、西部地区の森は写真に写すのが難しい。スケール感を出すため、裾野の森から尾根までを大きくフレームで切り取りたいのだが、手前に障害物が多く、なかなかアングルを取れる場所が無い。船でも出して、海上から狙ったらどうか?とも考えたが、今回は別の方法を考えた。
撮影場所として選んだのはカーブミラーの65番ポイント(西部地区のカーブミラーには永田側から番号が振ってある)。右の奥に国割岳が望める場所だ。そのカーブの法面上部は露頭になっていて障害物が無い。そこまで行けばアングルが取れるのだ。しかし、何の準備も無く、そこまで登ってゆくことは相当に困難。いや、例え登れたとしても、そこで撮影することは不可能。足を滑らせたら大怪我間違い無しだ。そこで、ロープを張って懸垂降下し、ポイントまで近づき撮影した。
ところで僕にはロープ使いの経験が無い。そこで、ナカガワスポーツの平国さんにお願いして、懸垂降下のサポートをして貰った。このカットは彼の助けてを借りて撮影したもの。一見、なんでもないカットに見えるかもしれないが、シャッターを押すまで、とても手間が掛かっている。平国さんに感謝。