屋久島 巨木の森と水の森の生態学
この本は植物の専門家である著者が、博士論文調査のため屋久島に移り住んだ1984年当時、島の人たちと一緒になって屋久島の自然を学んだ体験がベースになって書かれている。10章からなり、1章で屋久島の概略を、2〜9章で島内の8箇所をとりあげ、コースガイドの体裁でその豊かな自然の核心に迫る解説を、最後の10章で人と植物の関わりをとりあげ、まとめとしている。
屋久島に移り住んだ僕は、旅行者の立場とはまた違う視点で屋久島を知りたいと思い、そのための良い教科書を探していたのだが、最近いつも手許においているのが本書である。この本を片手に屋久島を歩いてみると様々な発見がある。それは本が出版された1995年当時とは大きく変化している屋久島の姿だったり、また変わらずそこにある屋久島の姿であったり様々だ。屋久島をより深く知る入口として、是非お勧めしたい一冊です。
屋久島―巨木の森と水の島の生態学 (ブルーバックス)