01)水辺に落ちたヒメシャラの花(白谷雲水峡)
撮影日:2006年7月7日
撮影データ:
CanonEOS20D+EF100-400mmF4.5-5.6L IS USM(焦点距離250mm)
ISO100 F5.0 1/25sec Extension Tube EF12〓・PLフィルタ・三脚使用
出力データ: EPSON PX-9000 エプソン純正写真用紙(B2)
オペレーション:富士山印刷 中西雄介
洋上アルプスの別名を持つ屋久島は、1400万年ほど前に花崗岩が隆起してできた島。その花崗岩の岩盤の上に成り立つ森の地層は浅く、地下水がわずかしかない。だからこの島では多くのコケが大量の雨水を蓄え、森を育む土壌の代わりになっているのです。
ヒメシャラは山地に生える落葉高木で、ナツツバキの仲間。樹皮は淡褐赤色ではがれやすく、コケがつかないので一面緑のコケが覆い尽くす屋久島の森のなかで、ひときわ目立つ存在。花期は6月から7月で可憐な小さな花をつける。
白谷雲水峡の水辺で撮影をやっているとき、川の向こうの側に、ヒメシャラの小さな花が落ちでいるのを見つけた。目の前には水量豊富な川がゴーゴー音を立てて流れているので、マクロを持って近づくことはできない。僕は望遠ズームにチューブをつけ寄れるところまで寄って撮影を行った。
花崗岩を覆うコケの上に落ちた可憐なヒメシャラの花。7月の屋久島を象徴的に示すカットが撮れた。
緑のコケが覆う森の中に、裸で立っているように艶かしいヒメシャラの木。みているこちらが恥ずかしくなってきてしまう。