永田岳へ
平石岩屋を通過した後、緩やかに下りながら焼野三叉路に出て、道を永田岳方面に分けた。
ここから先は僕にとって初めてのコース。主峰である宮ノ浦岳の縦走コースから外れた途端、ヤクザサの背が高くなり、登山道が悪くなる。こちらまで足を延ばす人はやはり少ないのだろうと感じる。
焼野三叉路近辺より、ヤクシマシャクナゲと永田岳
撮影データ:EOS-20D+EFS-10-22mmF3.5-4.5USM(焦点距離10mm)
ISO100 F16.0 1/25sec 露出補正-1 三脚・PLフィルタ使用
この近辺、ヤクシマシャクナゲは今が見ごろで、所々に見事な花を咲かせている。ポイントを見つけては立ち止まって何回か撮影を行った。
水場を過ぎて、いよいよ永田岳の登りにとりつく。斜面は急激にキツくなり、歩行スピードが一気に落ちて、額からは汗が吹き出る。ポイントポイントで、腕時計の高度計を確認しながら、自分が確実に高度を稼いでいることを励みに、一歩一歩足を前に出す。上を見上げると、ピークは遥か彼方だ。しかし、後ろを振り返ると、自分でも思いがけないくらいの高さまで登っていることにも気がつく。そうして眼下に広がる光景に息を呑んだ。
宮之浦岳の南西の斜面に、びっしりと群生したヤクシマシャクナゲが、真っ白になって咲き誇っている。今年のヤクシマシャクナゲは10年に1度のアタリだという。この光景を見られただけでも、今回無理して屋久島に来てよかったと思った。
永田岳の登りから宮之浦岳南西斜面を望む
撮影データ:EOS-20D+EFS-18-55mmF3.5-5.6USM(焦点距離37mm)
ISO100 F10.0 1/200sec 露出補正-1/3 三脚フィルタ使用
上の写真、一部トリミングして拡大
腕時計の高度計が1800mを超えた。いよいよ頂上は近い。最後の登りを力を振り絞って登る。鹿の沢方面標識が左を差しているところにザックをデポして、空荷で永田岳の頂上を目ざす。
15時35分、永田岳のピークに立った。あれほど晴れていたのに、永田集落の麓方向からガスが湧いてきて、既に視界は悪くなり始めていた。山で15時といえば、もう遅い時間なので、ガスが湧くのも仕方ないのだが。