大王杉
ウイルソン株を後にして、更に登山道を登ってゆく。幸いなことにシトシト降っていた雨も上がってきた。
このあたりから縄文杉へ行って折り返してきた下りの登山者とすれ違い始める。その中に、とても小さな男の子の手を引く母親が居たので、思わず「子供さんは幾つですか?」と声を掛けたのだが、返って来た答えに仰天した。「もうすく4歳になるので、今は未だ3歳です。縄文杉まで行ってきました」とのこと。なかなか大したものだと思う。尤も、子供は既に疲労困憊の様子で、集中力が切れ掛かっていたが。。。
大声で歌を歌いながら元気良く下ってくる若い男の子2人連れ。(なぜか歌はセロリだった。)ガイドに先導された家族と思しき小さなパーティー。恋人か、夫婦か、若いカップルの登山者。山のベテランといういでたちは年配の登山者。みな思い思いのスタイルでトレッキングを楽しんでいる。天気さえ良ければこのコースは最高だと思う。傾斜のキツイ急登部は木製階段が整備されているし、場所によって木道も整備されている。登山の初心者でも体力があってキチンとした装備で望めば充分トレッキングを楽しめるコースだと思う。尤も、大雨が降るとこの限りではないが。
12時50分、大王杉に辿りつく。薄日が差して背景に少しだけ青空が見える。三脚を立ててアングルを探すが、この場所で三脚を使って撮影を行う場合、アングルが限られてしまう。大王杉の目の前が木道になっているのだが、時間によってはそこを引っ切り無しに登山者が通るので、木道の上に三脚を立てることは避けなければならない。さりとてそれより手前へはロープが張られて近づけないし、なにより手前では茂った樹木の葉が大王杉を隠してしまうのだ。そこでどうしても木道の後ろに三脚を立てることになる。直ぐ後ろには大きな杉の木が生えているが、木道との間は人が一人入れるくらいのくぼ地になっていて、そこに入って撮影をすることができる。
三脚を立てるには少々窮屈だが、ローアングル用に2段階に開脚する三脚であれば一つの脚を最大に開いて壁面を利用すると場所が広く使える。今回僕が山に持ち込んだのはGITZO G1228という三脚。雲台はKenkoFP-100を組み合わせて使った。
薄日の中、逆光気味の大王仕杉
撮影データ:EOS-20D+EFS-10-22mmF3.5-4.5USM(焦点距離22mm)
ISO100 F7.1 1/25sec 露出補正+1/3 三脚使用
森の中でカメラを構えていると平衡感覚が狂うので、例によってアクセサリーシューに水準器を取り付けて使用している。真正面から見た大王杉は真っ直ぐ立っているのでははく、若干傾いている。これをどう処理するのかは、撮る人の解釈によって違ってくると思う。